人の話は空の果て

仕事場の窓からおっきな鶴の巣が向かいの建物
の屋根の上に見える。毎年春の終わりにペアが
一組やって来て、オスメスの舞いを見せ、喉を
ケタケタ鳴らし、卵をかたくなに温め、生まれ
たヒナにせっせとエサを運び、自分らと体の大
きさが変わらないほどまでに育った甘えん坊た
ちに飛行を教え、秋の入口に旅立ってゆく。

2016年9月のブログ記事

  • 数日前から巣はからっぽだ

    ベルリンの夏は涼しかったが、8月最後の週は 暑さがぶり返した。30度を越えた。湖の畔に は連日家族連れや恋人たちがやって来ては、ゴ ロゴロした。ツツジや藤が狂わされて二度目の 花を付けた。でも鶴はそんな気候のいたずらに これっぽっちも左右されず、一家そろってきっ かり暦が変わるあたりで巣をあとにし... 続きをみる